n3/ Beerの苦味を語る

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国際苦味単位?

ビール好きでも聞いたことない人多いんじゃないかな。IBUとも言うらしいね。

確かに。IBU、つまり International Bitterness Units  自分も最近知って、何だろうと興味持ってるところです。

昨年 Portland/ Oregon, USAのBeer barに通った時メニューにこのIBUが必ず書いてあって、調べたら苦さを表す単位(指標?)だと知って興味持ってね、そのうち能一さんにも聞いてみようと思っていた。
まず、ビアって何で苦いんだろう?

それは化学の出番ですよ。

やはり、ホップ?

Beer製造の過程で加えるホップに入っているα酸と言うのが関係しており、ホップを加熱する過程で苦味が発生するんですよ。

α酸!?

何か化学反応を起こす?

ビールの製造過程で煮沸した麦汁にホップを加える段階があり、その溶液中でホップに含まれるα酸がイソ-α酸に異性化します。

それが苦い?

そうなんですよ。このイソ-α酸が多いほど、ビールは苦くなりますね。

じゃあ、長く加熱してるとどんどん苦くなる?

その通り。煮沸時間に大いに依存するわけです。
フムロンWikipedia
α酸の代表的なものがこのフムロンです

フムロン? 聞いたことないな。。。

普通知りません(笑)

それと、異性化と言うのは?

ある分子において、その原子の組成はまったく変わらずにその配列が変化して別の分子になることを言います。

じゃあ、そのか変化した新たな分子が元の分子の異性体? この言葉は比較的耳にすることがある。

そうです、その通りです。化学式は同じで構造が異なるものですね。

材料が同じで、くっつき方が違う感じ?

分子は立体構造になっているので、結合状態が変化し、また手前に出ているか向こう引っ込んでいるかと言う様な違いが生じると言ったほうがイメージしやすいかな。先ほどのフムロンの分子構造も、実は立体で、図で太線になっている所は手前に出ていて破線で表された部分は向こう側に引っ込んでいるんですよ。

お〜なるほど、そうやって図を読んでいかなければいけないんだね。

イソフムロン

フムロンからイソフムロンが作られる過程は次のようになっています。

なんか似た構造に見えるが。。

6角形が5角形になっているのが分かりますか? こう言うの六員環、五員環と言うんですが、六員環から五員環への反応は起こりやすいんですよ。

これが苦いのか〜(笑)

苦そうでしょう?

そうだね。いや、分からないよ(笑) でも見慣れてくると、苦味を感じそうだな。

(笑)

化学頻出 スタンダード問題230選

西村能一先生の著作です